うろうろしています。

国内小旅行の備忘です。現在は南房総あたりをうろうろしています。

【浮世絵】房総半島で日本の美を再発見!【菱川師宣記念館】

写楽北斎も広重もぜーんぶここから始まった!
浮世絵初めてものがたりは「菱川師宣記念館」に立ち寄りましたの備忘でございます。

 



千葉県安房鋸南町は「菱川師宣生誕の地」。
菱川師宣って誰やねん、という方も「見返り美人」という絵の存在は聞いた事があるのでは。

ちなみにこちらの絵の現物は東京国立美術館に、鋸南の記念館にあるのはレプリカになります

菱川師宣について

お金持ちの道楽であり、富と威厳の象徴だった「絵」を
その題材からも「庶民」へ「版画」という形で広めるきっかけを作ったのが「菱川師宣」という人でした。

 

また「浮世絵」のみならず「絵本」のはじまりも師宣だったという説がございます。

この頃版画という技術自体はすでに成立していたのですが
それは主に「文字」で書かれた本等をたくさん刷る事に使われてました。


そこに「挿絵」を、しかも「たくさん」「大きく」デザインし、普及させたのが師宣。

見やすさ、わかりやすさが評判を呼び、その流れが引いては「絵」だけを独立させ
その題材も花や鳥、風景、偉人などから庶民の生活を描いた物へ変化したと言われています。

 

更には絵本といいますか、図解入り指南書といいますか。。。

大人な皆様ならご存知の「四十八手」。
こちらもこの言葉含め師宣の発案と言われているそうです。

俗あってこそのこの時代、江戸文化の象徴ですね!

 

安房で生まれ育った師宣は、名を馳せた後も大好きな故郷を事あるごとに歌などに残しています。

大好きだった生まれ故郷に記念館。

 

おじゃましまーす。

 


 

訪れた際の展示テーマは「浮世絵美人 時代を彩る女性たちを描いた絵師」。
その時代を反映した美人画の大集結!

 

入り口前「見返り美人」にあやかった記念像。

ちょっと首やばい?

 

記念館は「道の駅きょなん」内の一施設。
入館料は500円。JAF,AEONなど提携割引もございます。

観光案内所でも割引券おいていたりするので、ご興味のある方はチェックしてみてください。

入り口で靴を脱いだらスリッパに履き替えて、入場料をお支払いしたら館内へ。

 

撮影禁止との事につき、写真はございません。
以下目録とあやふやな記憶による備忘でございます。(毎度

 


 

 

以下展示されていた画家さんとその代表作、拝観の個人的感想をメモっています。

画像は展示作品とは異なります事、ご理解の程。

 

喜多川歌麿

THE浮世絵。「美人大首絵」で人気を博した事であまりにも有名ですね。

 

師宣は浮世絵のルーツかもしれないけど、

見せたい所を大胆に切り取り、そして容赦なくデフォルメ、という

いわば「日本式誇張の美学」はこの人から始まっているのかも。

 

写実→記号→解禁→回帰→誇張、みたいな西洋美術とは明らかに流れが違うんですよね。

私達は見たい物だけを、見たいように見る!という価値観、上等!

 

栄松斎長喜

喜多川歌麿の同期さん。

 

こちらもTHE浮世絵な面長美人さん。
ただこの参考作品多分モデルさん男性ですね。。。(左の人刀差してるし)

鳥文斎栄之

当時ライバルだった歌麿がわかりやすく色っぽい方向だったのに対し、

ちょっと違う路線で勝負の12頭身のおしゃれ美人。

 

鳥高斎栄昌

そんな鳥文斎栄之を師匠に持つ鳥高斎栄昌。

「郭中美人競」というシリーズが有名だそうで、こちらもモデルさんに手が届きそうないきいきとした表情、表現が素敵です。

 

菊川英山

人気絶頂だった喜多川歌麿死去、の後のニーズを引き継ぐ形で有名になった作家さんだそうです。

が、その後は独自路線を開拓、描く女性の雰囲気も柔らかく変化、

大首絵から2枚継ぎの掛物絵に、女性の全身を大きく描くスタイルを確立。

 

師宣の見返り美人の背中、美しい着物の柄やドレープもですが、この全身柄で「着物」をしっかり見せる、というのも浮世絵の大切な役割の一つだったんですよね。

今でいうファッション誌的な。

 

鳥居清長

後の写楽北斎・広重と並ぶ六大浮世絵師の一人。

(六大浮世絵師=鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌磨、東洲斎写楽葛飾北斎歌川広重

 

立ち姿もポーズもバランスの取れた、美しい八頭身の美人画は世界的にも高く評価されているそうですよ。

 

磯田湖龍斎

柱絵で有名な画家さんだそうです。

柱絵=柱に飾る為の極端に細長い絵、の事だそうで

サイズ一例は13cm×70cmとの事ですが。。。

 

ほっそ!!

 

鈴木春信

錦絵、いわゆる多色刷の誕生に貢献した画家さんだそうです。

 

というか、展示品もそうだったんですがこの「2人並べる」という構図ですよね。

背景とのバランスも、この少し幼い華奢な感じも、2人の比較も匂う関係性も、

とにかくほっこりかわいい!

 

渓斎英泉

今まで見てきた「美人画」は、画風の差こそあれ全て「正統派和風美人」でしたが

ここに来て、といいますか会場でもうっかり立ち止まってしまった、「江戸の個性派美人」といえばこちら、渓斎英泉の退廃的美人。

キーワードは「釣り目+受け口」でございます。

 

何枚か作品が展示されていたのですが、いずれもけっこうお姉さんだったり、気性激しそうだったり、絵を飛び出してきて叱られそうな、強面(?)の女性ばかり。

ちょっとドキドキしてしまった。。。

 

これ当時のニーズもあるけど本人さんの好みですよきっと。(きめつけ

 

ちなみに栄泉は風景画も残していて、実は北斎より先に「ベロ藍」を使用した事でも有名だそうです。

色々進歩的な人だったのかもしれませんね。

 


 

一口に「浮世絵」っていうけど、色んな画風やジャンル、ニーズがあったんですね。

 

以下展示の美人画ももちろん美人だったんですが、資料写真が探せずうっかり違う物拾ってきてしまった備忘。

きれいかわいい、美しいけど「人」じゃない。。。

 

歌川国芳

国芳と言えば猫。というか動物。

そしてこのデザイン性。です。

 

展示されていた美人画も、メインモチーフはもちろんですがバックに書かれた文字や

そのレイアウト、デザインがどれも秀逸。

本当にかっこいいです。

 

円山応挙

応挙は写生を重視した画風で知られており、暇さえあればスケッチしていたそうでございます。

子犬の絵もたくさん描いてるんですよね。

あああリアルのかわいさ、なんつう。。。あざとさ。。。

 

はわわ。。。///

 

展示されていた「西王母之図」はおっとりした、本当に正統派美人でございました。

脱線スイマセン。

 


 

浮世絵の歴史を振り返り、今普通に「ある」事の、「始まり」に思いを馳せる。

「今」が「こう」である事って、その時代に生きてきた人の価値観と選択の結果なんですよね。

 

道の駅でソフトクリーム食べながら、今、自分がその地に立っている不思議に感謝。
ドライブ休憩の折には是非こちらにもお立ち寄り下さい。
日本のかっこよさ再発見してみてください。

 

施設情報

名称:菱川師宣記念館
住所:千葉県安房鋸南町吉浜516
営業時間:9:00~17:00(閉館日:毎週月曜)
入場料500円

アクセス
電車:JR内房線保田駅/安房勝山駅下車 徒歩15分
車 :高速富津館山道路 鋸南保田ICより5分 

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