東海地方は三英傑、信長、秀吉、家康の出身地という事で、そういう名所旧跡には事欠かないのですが、
だってなー。だって興味なかったら有名でも別になー。。。
名古屋まつりも今休みじゃないしなー。
とかいう自分に鞭打って(?)
徳川園から名古屋城巡りを企画してみた本日。
私一人に鞭打ったってしょーがなかった敗北の記録。
行先は病院か墓場か(言葉!)と言わんばかりに平均年齢の高い午前10時の市バス内。
名古屋の65歳以上には敬老パスが支給されます。
市のバスや地下鉄は無料で乗れちゃうのです。
実質今は年間5000円だそうですが、私が子供の頃は完全無料でした。
他の都道府県にも似たような制度ありますでしょうか。
このおかげで「使わな損だで使っときゃあ」と言わんばかりに町へ繰り出す健脚さん。
うちでテレビばっか見とってかんわ !
鎌倉さんもいかんわうますぎるでって山田昌さんは今もお元気でいらっしゃるのでしょうか。。。
基幹バス徳川園新出来から徒歩15分。
入館料はセットでお得な割引回数券1550円。
(あーもー車内アナウンスがー)
施設概要。
少なくとも名古屋で生まれ育って20年ぐらいはいたはずなんですが、本気で初めて来ました。
名古屋どころか実家の隣の区ですよここ。
灯台ナントカにもほどがある。。。
なんかむちゃくちゃきれいだし。。。
蓬左文庫は昔の貴重な書物の図書館みたいな。
尾張徳川家に託された家康の遺品(駿河御譲本3000冊)を元に、大事な蔵書を保管、保全する為に作られたそうです。
そもそも「蓬左」って名古屋の別称だそうです。
熱田神宮が蓬莱山、蓬莱山の左だから蓬左。
本殿が東向きに建ってれば北は確かに左ですが、この解釈であってるのかな。。。
こちらは美術館の入口。
ボランティアさんがガイドをしてくださるというので、せっかくだからお願いしよう♪
ママン、入場までもうちょっと待ってねー。
母「・・・」
あっ。。。
やっぱダメかも。
一応事前に行先は確認してるのです。本人も了承してるハズなんですが、いかんせんうちのママン、本能的にアカデミックな匂いのする場所と団体行動が苦手でして。。。
(そのくせ「行くか」って聞くと絶対「行く」って返ってくるんだよなあ。。。)
スタート時間になってみんなで一緒に入場。
ガイドさんが説明を始めた途端案の定
「あんな小さい声でボソボソボソボソ何言っとるかわからん!!」
捨てゼリフを残し、一人スタスタ先に行ってしまいました。
もちろん追いかけません。
だっていつもの事だもーん。
徳川美術館の始まりは尾張19代当主徳川義親が、縁の美術品の流出を防ぐと共に、相応しい状態で保管、保全する事を目的に設立したそうです。
ちなみに蓬左文庫と徳川園は名古屋市の管理ですが、美術館は「徳川黎明会」という財団法人が運営してるんだそうな。
色々な場所で、色々な古い建物や美術品を見る機会があるけど、いつも思うのは、
それを今私たちが見られるのは先人が残して、保管して、手間暇お金をかけて守ってくれたからだと言う事。
そういう意味ではやっぱり「力を持つ者が歴史を作る」には間違いないなと。
お金と人を動かせる力のある人が決断しなきゃ何百年もそれを維持できないもんね。
ちょうど源氏物語特別展もやってました。
こちらで所蔵している、刀以外の国宝はいずれも源氏関連なのでした。
「源氏物語絵巻」はもちろんですが、千代姫のお嫁入り道具「初音の調度」のモチーフも源氏物語から来ています。
第23帖「初音」からの様々な場面がたくさんある調度品の中にちりばめられているそう。
何時間見てても飽きないぞー、という事で別名「ひぐらしの調度」とも呼ばれているそうな。
展示はテーマごとに6つのスペースに分けられてて、いずれも美しくゆとりのある素敵空間。
もうなんか必死でメモってきたから聞いて!
1. 武具・刀剣
江戸時代戦争なくて平和だった平和だったいうけど、軍隊がなかった訳じゃなくていつでも準備はあったんだよときいて、そうか、そりゃそうだ! と頷きました。
刀の命は切れ味ではなく作者と出自だそうです。
いや、もちろん切れ味も大事だと思いますが、身元と経歴が何より大事だったそう。
折り紙付きの「折り紙」って、元々刀の鑑定書の事だそうです。
それで鶴折っちゃダメェ!
セレブの刀アクセサリー三点セット(三所物)は目貫、小柄、笄だそうです。
すごく凝った装飾でかわいいです。
ちなみに用途は
目貫=刀身と柄の留め具隠し(多分)
小柄=ペーパーナイフ
笄=髷の中が痒い時にカリカリする棒
毎日シャンプーはできないもんね。
2. 茶の湯
恐らく秀吉の頃のお茶って、身も蓋もない言い方したら「見栄の象徴」だったような印象は否めなくない。。。個人的にだけど。
ちゃんと読んでないけど「へうげもの」ってそういうお話?
徳川ではお武家さんの公式接待として定着したそうです。
こちらの展示では貴重な焼き物もたくさん。
日本では偶然の色形、歪みやひび割れにも価値を見出して大事にするけど、
完成された美をよしとする他国の文化ではやっぱり珍しかったとの事。
お茶と言えば当然お茶っ葉が必要で、お茶入れる壷を宇治まで運んで詰めて、また江戸まで戻ってくるこの行程、「御茶壷道中」というそうなんですが、大名行列さながらの厳しさだったそうです。
したーにーしたーにーてな感じで、庶民は行列が通り過ぎるまで顔をあげてはいけません。
あげたら
アッ
てなるので、やばい来たぞってなったらみんな家に入って戸を閉めちゃう。
これが「茶壷に追われて戸をピッシャン」なのね。
再現された茶室には尾張徳川最後の将軍義勝の直筆サイン色紙掛け軸もありました。
3. 書院飾り
所謂謁見の間というか、応接室はキンキラピカピカでとってもゴージャス。
成金やあねぇとかじゃなくて、電気ないから普通に部屋が暗いんですね。
考えてみたらすごく偉い人が集まる部屋が、太陽燦々で明るくて開放的な場所にあったら、セキュリティ上問題ありそうだもん。
ろうそくの明かりとか、限られた採光でも部屋が明るく見えるし、もちろんその希少性と華やかさから権威の象徴としても機能したろうし、ちゃんと理由があるんだなあ。。。
これは印籠です、と紹介された堆朱の小さなお重。
印籠っていえばひかえおろー、ですが随分形状が違います。
そもそも名前の通り調印用の道具を入れる物なわけで、実はあっちの方がアレンジ版というか携帯用なんですね。
4. 能
最高に公式なおもてなし、お能。
名古屋城二の丸御殿から再現したという舞台は総桧のピカピカです。
特に恐らくお手入れが大変と思われるのがその衣装。
鮮やかな色で細かい細工があればあるほど、時代とメンテナンスの良しあしが、褪せやほつれにモロに出ちゃいそうです。
能衣装には演じる役によって着物も決まってて、特に「紅」は若い女性用の着物にしか使われないそう。
きれいな刺繍だなあと思って近くで見てたらびっくり、刺繍じゃなくて全部織で描かれた模様だそうです。ものすごく立体的。
5. 奥道具
ここまでの武具や公式接待のアレコレを「表道具」と呼ぶのに対して、
ここは日常に使われた、所謂プライベートな品物を展示しているそう。
ちなみにワイフ(wife)の事を「奥さん」と呼ぶのはこの「奥道具」の「奥」からきているそうですよ。
こちらに前述の「初音の調度」が展示されています。
美しい蒔絵の小道具アレコレ、屏風や絵巻なども。
ちなみに尾張家に嫁いだのに千代姫も初音の調度も、実はずっと江戸住まいだったそうです。(大名の正室は江戸藩邸ルール)
千代姫の死後初音の調度だけ名古屋城に→現在に至る。
そういえば蓬左文庫も設立当初は目白との事で、出身地はどうでも徳川のホームはやっぱり東京なんだなあ。
ガイドさんタイムアウト! との事で、お勉強はおしまい。
あっという間でした。ありがとうございました!!
そして続きの源氏絵巻をのんびり鑑賞。
長い間読み継がれているだけあって、色んな解釈が生まれたそうですね。
色んな解釈すぎて、江戸に入るとパロディ本とかもどんどん出てきます。
登場人物が浮世絵調+ちょんまげになってるー。
マンガ好きの昭和女子なら多分読んだ事ある、「あさきゆめみし」も展示されてました。初めて読んだ時は思ったなあ。。。
あっ。。。
忘れてた。。。
絢爛絵巻の裏からお腹を空かせたママンぬるりと登場。
母「もうにじ。」(訳: 14:00pm now)
母「も・う・に・じ!!!!!」
うそだまだ12:30だああ!
後半につづきます。