うろうろしています。

国内小旅行の備忘です。現在は南房総あたりをうろうろしています。

伊東の歴史を感じられる文化施設・元老舗旅館「東海館」にお邪魔してきました!

伊東へ行くならフンフンフン♪

でおなじみ、最近は休日ごとに訪れている伊東界隈で気になっていた、

元老舗旅館を見学してきましたの備忘です。

 

施設概要


東海館の創業は1928年(昭和3年)。
激動の昭和をくぐり抜け、1997年(平成9年)に廃業した老舗旅館です。
廃業後、その建物は伊東市に寄贈され、現在は伊東を代表する文化施設として開放されています。

木造3階建+望楼を備えた立派な建物の中は、使われていた当時そのままに残されています。

 

客室の再現は勿論、伊東に縁のある人物を紹介するスペースにもなっていて
意匠の美しさを味わうだけでなく、伊東の歴史に触れる事もできたり、

また土日はお風呂も日帰り入浴施設として開放しています。

 


 

館内拝観

旅館が賑わっていた頃のアレコレもたくさん展示されています。

時代のパンフレットは当時の流行がダイレクトに伝わってきてとても興味深いです。

 

坪庭スペースはこのまま屋上まで吹き抜けています。

 

吹き抜け部分を上から見た、の図。

予想以上に狭いのに、階下にしっかり明かりが届いている事にちょっと感動。

 

耐震工事、ちゃんとしてます、がちゃんと展示されてます。

埃のにおいと冷気がじんわり。

 

ぴっかぴかに磨き上げられた廊下や柱。

本当にきれいにお手入れされてます。

 


 

客室

the旅館の和室、はすぐにでも布団敷けそうです。

大きな木の机に、かつて使われていたであろう火鉢も雰囲気。

 

障子や障子枠、欄間や一木の飾り柱などの装飾が本当に素敵。

こういうお金や手間暇のかけ方って、現代にはなかなかない物の一つではないかしら。。。

お部屋の入口も雰囲気あります。

 

お魚ネットかしら。。。

 

こちらかなり伊東っぽい、気がします。

 

リバービューでくつろぎのひと時。

こういっちゃアレですが。。。

どのお部屋も、某ホテルチェーンより全然キレイで現役。。。

 


 

大広間

こちらは120畳敷の大広間。

かつてはここで、毎日のように大宴会が催されていた事でしょう。

 

芸者さんも勢ぞろいです。

 

端午の節句も近いとあって、兜やお人形が飾られてました。

 


 

望楼

更に細い階段を上って望楼へ。

オリジナルは1949年(昭和24年)に作られたそうです。

 

周囲に高い建物のなかった当時は天城山がよく見えたそうです。

今はビルの向こうに、かすかに海を確認できます。

 


 

伊東偉人伝

 

こちらは按針さんのお部屋。

三浦按針ことウィリアム・アダムス。

江戸時代初期、徳川家康に外交顧問として仕えたイングランド人の航海士、水先案内人、貿易家さん。(by wikipedia)

 

按針コーヒーとか按針祭り按針通りとか、名前だけは訪れる度によく目にしていたのですが何した人とか全然知りませんでした。

ここ伊東では日本で初めて、造船ドックを設けて帆船を作ったそうです。

 

伊東祐親のお部屋

不勉強者なのですけちか?はて、誰やねんって感じだったんですが。。。

「伊東」の地名もこの人からもらったんでしょうね。平安時代のこの辺りの豪族さんです。

 

本人の功績より、頼朝の最初の奥さんのパパ、の方がドラマ的には有名かと。

二人の間の子供はパパによって殺されちゃうんですよね。

で、八重ちゃんもよそにお嫁にやられてしまう。。。

悲しい。。。

 

東郷平八郎のお部屋

明治時代の日本海軍のすごい指揮官さん。

日清、及び日露戦争の勝利に貢献し、日本の国際的地位を「五大国」の一員とするまでに引き上げた立役者だそうです。

 

ご自身は鹿児島出身、じゃあ伊東の地との縁はと申しますと、
終の棲家としての別荘がここ伊東にあったからとの事。

 

現在別荘の跡地は「伊東東郷記念館」として開放されています。
ここ東海館からも徒歩圏内です。

 

戦争に対しての見方は色々あると思いますが、特に日本が戦争に勝ち続けていた時代を経て先の大戦の悲劇につながると思えば、
この時代のヒーローを手放しで称賛する事は憚られるのかもしれない、

と思いつつ、個人的には強い事はやっぱり正義とも感じたり。


強い人が優しくて賢いのが理想。
要するに持っている力の使い方を間違えない、というのは
こと戦争に限らず、たくさんの人が関わり合う中で一番大切な事なんじゃないかなあと改めて思います。

 

こちらは戦艦「三笠」に掲げられた「Z旗」。

欧米列強がアジアを中心に諸外国を植民地化しまくっていた、その背景があってこその「興廃此の一戦にあり」なのです。

 

「勝たなきゃ滅びる」弱肉強食が、望むと望まざるとに関わらずデフォルトモードの時代に、より強く力を誇示し続ける以外の選択ってあったのかしら。。。

 

実際日本がおとなしく植民地化されてたら、原爆も落ちなかったけど
アジアやアフリカからの搾取は今なお、とてもわかりやすい形で続いていたかもしれませんね。
一度手にした利権を手放すには、相当な痛手が必要でしょうから。

 

こちらは木下杢太郎コーナー。

杢太郎氏は伊東出身の、なんかとにかくオールジャンルに大活躍の人です。

 

明治18年生まれ、昭和20年没。

詩人で劇作家で翻訳家で、美術、キリシタンの研究家で、皮膚科のお医者さん。

賢い人は、やろうと思えばなんでもできちゃうんですね。

 

生家は雑貨問屋さんで、今もその建物は「木下杢太郎記念館」として保存、開放されています。

 

こちらは偉人ではありませんが伊東の民芸品、「魔除けのどんどろ」。

昭和30年代にはお土産物屋さんにたくさん並んでいたそうです。

効きそう。。。といえば効きそう。。。

 

こちらは彫刻家、重岡建治氏のお部屋。

学生時代を伊東で過ごした、氏の作品は伊東市の各地で見る事ができます。

お部屋にはレプリカや模型を中心に、重岡ワールドが広がっていました。

 


 

オマケ情報

 

館内には喫茶スペースもございます。

静かな和室でコーヒーやスイーツ、お食事がいただけるそう。


今回は見学に夢中で、うっかり営業時間が過ぎてしまったので、
次回ぜひゆっくりお邪魔したいと思います。

更に公式情報によると、ワーケーションにも開放されているとの事。

入館料のみでお部屋とwifiが使えるそうです。


ちなみに空調はなしとあります。

電源は確保できると。。。思いたい。。。
こちらも次回要検証。

 

さて、現役ままに保存されているお部屋を拝見のち、
これ宿泊できないのもったいないなあ、とつぶやいておりました所

お隣のこれ。。。入口の感じがほぼ一緒ですが、別館。。。?
いや、屋号違いますね。山本。。。屋。。。かな?

 

実はこちらはゲストハウスとして現役だそうでございます。

ミックスなら1泊3000円弱から。


本日見学させていただいた、リバービューの和室と、ほぼ同様の景観が楽しめそう。

機会があればこちらも是非宿泊してみたいと思います。

 


 

素敵な和旅館の雰囲気はもちろん、
古きよき伊東の賑わいと、湯治文化の変遷、
伊東所縁の偉人さんについて知る事のできる、楽しい施設でした。

 

伊東駅アーケードからも近いので、川沿いをお散歩がてら訪れてみる事をお勧めします!


基本情報


施設名:東海館
営業時間:9:00~21:00( 日帰り入浴は土日祝のみ)
入館料:200円(お風呂500円)
住所:静岡県伊東市松原町12−10
アクセス:JR伊東駅から徒歩8分

※駐車場はありません。車の場合は近隣有料Pを利用。

 

ちょっと気になる伊東

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